2017/04/22(土)リーグ戦 開幕節
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第2試合
伊予銀行 | 5 |
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1 | 日本精工 |
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | H | E | |
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伊予銀行 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 5 | ||
日本精工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
いよいよ、2017年リーグ戦が開幕しました。4月22日~23日の2日間にわたって行われた開幕戦の舞台は、愛知県・ナゴヤドーム。ブレイブベアリーズは22日の第2試合で伊予銀行VERTZと対戦し、1部リーグでの本格的な戦いが始まりました。
新生・ブレイブベアリーズの1部リーグ初勝利を後押ししようと、ブレイブベアリーズ側スタンドには約1,200人の応援団が駆けつけ、大声援がこだまする中、プレイボールが告げられました。
1回表、ブレイブベアリーズのマウンドに上がったのは、エース・藤嶋涼菜。先頭打者に四球を許すも、続くバッター3人を手堅く連続アウトで抑えます。
しかし2回表。先頭バッターは打ち取ったものの、2番バッターには4球連続でストライクが入らず四球を与えてしまいます。後続のバッター3人には内野安打と四球で打線を繋がれ、1点を先制される結果に。なおも1アウト満塁のピンチが続きます。
試練を迎えた藤嶋に、ベンチからは「フジシ、いい球だよ!」「追い込んでいるよ!」と次々と声援が上がり、スタンドからも「フレー!フレー!藤嶋!」と何度も藤嶋コールが送られました。
先制こそ許しましたが、声援に後押しされた藤嶋は続く2人のバッターを連続で打ち取り、2回表は失点1で切り抜けました。
なんとか藤嶋を援護したい、ブレイブベアリーズ打線。しかし1回裏、1番バッター村井彩乃が三塁への痛烈なライナーを放つが捕球されアウト。3番バッターの松田愛実はセンターに深々と打ち込むもあと一歩届かず、3人で攻撃を終えてしまいます。2回裏は、この回先頭バッターの安井聖梨奈がセンター前にチーム初ヒットを飛ばすも、代走・江口裕里が盗塁失敗。1回~3回とも3人で打ち取られ、無得点が続きました。
とはいえ、この日も「他のどのチームにも負けないひたむきさ」は失っていません。盗塁を失敗した江口がベンチに帰り「すみません」と肩を落とすと、「切り替えて行こう」と監督が笑顔で励まし、3塁コーチに入っている野木あや選手兼コーチも、バッターひとり一人に「いつも通り楽しめ!」「一球、一球やー!大きく見とけ!」と声を張り上げるなど、チーム一丸で「勝利」を目指しました。
2回表に1点を先制された先発・藤嶋。しかし藤嶋は笑顔を忘れず果敢に攻め続け、3回表、4回表は連続で三者凡退に抑えます。3回表、相手チームの先頭バッターは右中間に「あわや」という大きな打球を放ちましたが、ライト・尾西未紗が好守備を見せ、ライトフライに。4回表、2アウトで迎えたバッターのライトに抜けるかと思われた打球を、セカンド・杉山がファインプレーでアウトにし、ピッチャーをバックアップ。
また4回裏の攻撃では、先頭バッターの村井が初球から勝負に出ると、センターを抜けるツーベースヒットに!
先発・藤嶋をバックアップするプレイの数々に、ブレイブベアリーズベンチ、スタンドからは一際大きな歓声が上がりました。
しかし5回表。藤嶋はこの回1人目、2人目の打者に連続四球を与えてしまいます。3人目はアウトに打ち取るものの、続くバッターの打球は左中間を破り、ツーベースヒットに。2点の追加点を許してしまいました。
ここでブレイブベアリーズベンチが動き、バッテリーを交代。先発ピッチャー・藤嶋、キャッチャー・馬場キャプテンに変わって、マウンドにはルーキーの白川果歩が上がり、2年目の重石華子がマスクを被りました。白川・重石の〝次世代バッテリー〟は1四球、2安打で2失点を喫するも、続くバッターを三振、ショートゴロに抑え、3アウトに。
また6回表、7回表には合わせて4安打を浴びるも、レフトフライからのタッチアップ走者を好返球で刺したり、ピッチャーゴロからのバックホームでアウトに仕留めるなど、堅実な守りで無得点に抑えました。
この試合、計5失点を許したブレイブベアリーズですが、最終回の攻撃で意地を見せます。
最終回の7回裏、1アウト・ランナーなしの場面では、2回裏にチーム初安打を放った主砲・安井が、3球連続のボールを見送った後の球を見事にとらえ、センター頭上をはるかに超える大ホームラン!
ベンチでハイタッチの嵐に迎えられた安井は、最後に先発・藤嶋とハイタッチ。そのまま頭上でお互いの両手をぎゅっと握り、笑顔で健闘をたたえ合いました。
さらに続く5番・尾西は、ショートの守備範囲を深く強襲する職人技の打撃で内野安打。最後まで諦めないブレイブベアリーズに、スタンドも大声援を送り続けました。
意地の打撃で1点を返したブレイブベアリーズ。しかし5-1という結果となり、惜しくも初戦を白星で飾ることはできませんでした。
「先取点を取り切れず、相手に許してしまったことが敗因です。先発・藤嶋は中盤で持ち直しましたが、リズムをつかみきれませんでした。しかし、今日はリーグ戦22試合のうちの1試合。課題だった守備では〝次につながる〟いいプレイが見られました。ベンチではまず1点を取り、最後まで諦めないよう話していましたが、7回裏の安井のホームランには、その諦めない気持ちが出ていたと思います。この1点を取ったことが、次に繋がるでしょう。また、白川・重石の新人バッテリーが思ったよりもいいピッチングを見せてくれました。チームとしては、藤嶋の〝次〟も準備しなくてはなりませんが、この新人バッテリーにとっても今後に繋がる試合になったと思います。攻撃面では、プレッシャーがある中でも一球を決め切れるよう、練習を詰めていきます」
「開幕戦、しかも初めての1部リーグ戦ということで、選手はいつも通りにプレイできていませんでした。緊張するのは仕方のないことですが、〝試合の入り方〟が自分たちのものではありませんでした。しかしそんな中、この1試合で選手ひとり一人に成長する姿が見られました。終盤からは打席に入る表情が変わりましたし、どんなときでもプラス思考で〝攻め〟の雰囲気が見えてきました。ベンチでも徐々に声が出てきて、いつものブレイブベアリーズらしい空気になっていったと思います。今日はドーム球場で声が通り難いため、私も率先して声を出しました」
「今日の藤嶋はいつも通りの調子で、球速も出ていましたし球の質も良かったと思います。しかし持ち味のインコースをストライクに決め切れず、リズムがなかなかつかめませんでした。バッテリー間のリズムをもう少しつかめていたら、展開は変わっていたのではと感じています。私個人としては、キャッチャーとしてもバッターとしても攻めるつもりでいましたが、それができませんでした。この点では課題もできたので、今日はいい経験になったと思います。また、1部と2部では会場の雰囲気がまったく違い、観客も多いため、チームの強みである〝声〟が通りませんでした。しかしこれまでチームは、〝声〟による一体感、元気さで勝負をしてきたので、これからもこの強みは前面に出していきたいです。バッテリー、バッティング、そして〝声〟と今日はいろいろな課題が見えましたが、改善しながらも絶対にぶれることなくやっていきたいです」
「7回裏は、あまり深く考えずに『塁に出よう』と打席に入りました。打った瞬間は『入ったかな』と思ったものの、ドーム球場で普段と感覚が違うため、すぐにホームランとは分かりませんでした。今日はスタンドでたくさんの方が応援してくださり、ホームランの大歓声はとても嬉しかったです。いつも以上に『やってやったぞ!』という気持ちになりました。本当はお客さんに勝利で感謝の気持ちを表したかったのですが、今日はそれができませんでした。気持ちを切り替え、次は勝ちますので、これからも応援をよろしくお願いします」
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