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試合日程・結果

2019/10/13(日)リーグ戦 第5節

日本精工 vs 大垣ミナモ

【順位決定トーナメント】福岡県北九州市大会

2019/10/13(日) 13:30開始 ひびきコスモス運動場
日本精工 1
0 大垣ミナモ
1234567HE
日本精工00010001
大垣ミナモ00000000
  • 投手
    藤嶋
  • 捕手
    鬼澤
  • 二塁打
    鬼澤

 午前の試合に勝利し、最終決戦に駒を進めたブレイブべアリーズ。対戦相手は、前日の試合で惜敗した大垣ミナモです。この試合に勝利したチームが2部リーグ優勝となり、1部リーグへ昇格します。

リーグ戦 第5節 日本精工-大垣ミナモ 2部リーグ順位決定節トーナメント<ページシステム方式> ※10/13(日)優勝決定戦開始時点



 昨年は、この最終決戦に敗れて1部リーグ昇格を逃し、涙にくれた選手たち。あの日からチーム一丸となり、「次こそ、絶対に1部リーグ昇格」という目標に向かって、昨シーズン終了直後から練習に取り組んできました。そして春に2部リーグ戦が開幕してからも、今日この日の最終決戦だけを見据え、一戦一戦を戦い抜いてきました。

 選手たちはもちろん、ファン・応援団の間にも張り詰めた空気が漂う運命の一戦。予定通りの13時30分、プレイボールが告げられました。

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【スターティングメンバー】
1.(左)西岡彩乃
2.(捕)鬼澤麻純
3.(DP)重石華子
4.(中)山本悠未
5.(右)中村白
6.(二)野木あや
7.(三)黒木美佳
8.(遊)松田愛実
9.(一)沢柚妃
FP.(投)藤嶋涼菜



先攻はブレイブベアリーズ。
西岡が死球で出塁するも、得点ならず。

 1回表、ブレイブベアリーズの攻撃。1番・西岡が右腕に死球を受けます。痛みで顔をゆがめながらも1塁へ向かう西岡に、応援席から「ナイスファイト!」「がんばれ!」と拍手が送られます。2番・鬼澤はピッチャーゴロでランナーを進め、1アウト2塁。ですが重石、山本は三振を奪われ得点には至りません。

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1アウト満塁のピンチを迎える。
後続を打ち取り、無失点!

 ブレイブベアリーズの先発バッテリーは、ピッチャー・藤嶋、キャッチャー・鬼澤。1回裏、1番バッターはショートへ打球を飛ばし、ショート・松田が捕球して送球するも打ったランナーが一足早く、セーフに。2番は送りバントで1アウト2塁とされます。3番はレフト前ヒットを打ち、2塁ランナーが3塁を回ろうとしますが、レフト・西岡が素早く返球し、ランナーを3塁に足止め。そして4番には四球を選ばれ、初回から1アウト満塁のピンチを迎えます。しかしピッチャー・藤嶋は落ち着いた投球を続け、5番の打ったピッチャーゴロをキャッチャー・鬼澤に送球し本塁フォースアウト、ホームを踏ませません。なおも2アウト満塁のピンチが続く中、6番のショートゴロをショート・松田が捕球し、2塁に入ったセカンド・野木へ送球してアウト!1アウト満塁のピンチを無失点で切り抜け、応援席から大歓声が上がります。

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ランナーを出せず無得点。
藤嶋は好投で三者凡退に。

 2回表、ブレイブベアリーズの攻撃は午前の試合で満塁ホームランを打った中村。応援席から期待を込めた中村コールが上がりますが、ライトフライに倒れます。次の野木は1塁方向へ転がし、ヘッドスライディングで1塁ベースに飛び込みますが、惜しくもアウト。黒木はショートフライでランナーを出すことができません。

 2回裏、ピッチャー・藤嶋は2人をショートゴロに打ち取ると、3人目は三振!テンポ良く三者凡退に抑えます。

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鬼澤がツーベースヒット!
山本の一打、鬼澤の好走で貴重な1点を先取!

 3回、両チームとも3人で攻撃を終え、試合は緊迫の投手戦となりました。

 0-0のまま迎えた4回表、ブレイブベアリーズの攻撃。先頭バッターの鬼澤がレフトオーバーのツーベースヒットを放ちます。次の重石は1塁線へ転がしてランナーを進め、1アウト3塁のチャンスに。そして山本は1塁方向へ打球を飛ばすと、3塁ランナーの鬼澤が猛ダッシュし、ホームへスライディング。打球を取ったファーストがキャッチャーに送球しますが、ボールがこぼれセーフ!ベンチ、応援席が歓喜に沸きます。打った山本も1塁ベース上でガッツポーズ。後続は倒れ追加点は挙げられませんでしたが、両チーム投手の好投が続く中、ブレイブベアリーズは貴重な1点を先取し、1ー0とリードを奪いました。

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松田の守備に大歓声。
鬼澤がランナーを追い込み、無失点。

 4回裏の守り。先頭バッターがレフトに抜けそうな打球を飛ばしますが、ショート・松田が体を伸ばして飛び込み、ナイスキャッチ!1塁への送球はギリギリ間に合わずセーフとなりますが、松田の素晴らしいプレーに応援席から大歓声が送られます。次のバッターはバントの構えを見せますが、2回続けてバントを失敗した次のボールで、1塁ランナーがベースを飛び出します。キャッチャー・鬼澤が送球する素振りを見せながらランナー方向へ詰めていき、1・2塁間で相手ランナーを足止め。相手が2塁へ足を向けると、鬼澤からセカンド・野木に送球、野木からファースト・沢へ送られタッチアウト。鬼澤の見事な駆け引きでノーアウトのランナーを刺し、1アウトランナーなしとします。このバッターにはライト前ヒットを打たれますが、後続はサードゴロ、三振に仕留め3アウト。1-0と1点のリードを守ります。

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黒木が四球で出塁。
2アウト3塁のチャンスも追加点ならず。

 5回表、追加点が欲しいブレイブベアリーズの攻撃。先頭バッターの黒木が四球を選び、ノーアウト1塁とします。松田はセカンドへのゴロでランナーを進め、1アウト2塁。ここで代打が告げられ、馬場未波が打席に入ります。今シーズン3本のホームランを打ち、チャンスの場面で代打ホームランも放っている馬場の登場に、応援席は大盛り上がり。ファン、応援団、そして選手も一体となって「いけいけ馬場!」の大コールが送られますが、ボールを打ち上げてしまいファーストフライに。次の西岡の打席では、2塁ランナーの黒木が盗塁を決め、2アウト3塁と追加点のチャンスを作ります。しかし西岡は三振に倒れ、得点には至りません。

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1アウト1塁とランナーを背負う。
黒木、野木、沢でダブルプレー!

 5回裏、6回表も、両チームとも3人で攻撃を終え、1-0のまま迎えた6回裏の守り。1アウトから四球を出し1アウト1塁としてしまいます。次のバッターが三塁線へ良い当たりのゴロを打つと、サード・黒木が素早く好捕し2塁に入ったセカンド・野木に送球、さらにファースト・沢へ送りダブルプレー!応援席が「いいぞいいぞ黒木!」のコールに沸きます。

 最終回、7回表のブレイブベアリーズの攻撃。勝利を確実なものとするため追加点を挙げたいところですが、3人で攻撃を終え、最後の守備に入ります。

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ノーアウト3塁の大ピンチ。
このピンチを藤嶋が守り切り、悲願達成!

 7回裏の守り。あと3つのアウトを取れば、悲願の1部リーグ昇格が決まります。緊張に満ちたスタンドからの大きな藤嶋コールを受け、藤嶋が最終回のマウンドに上がりました。

 先頭バッターの、1ボールからの2球目。打ったボールはレフトのライン際ぎりぎりのところへ運ばれ、スリーベースヒットとされてしまいます。ノーアウトで同点のランナーを3塁に背負いますが、次のバッターが初球を足元に転がすと、ファールラインへ切れる前にキャッチャー・鬼澤がすかさず捕球し3塁走者を軽く牽制した上で1塁へ送球しアウト!続くバッターからは、ピッチャー・藤嶋が2球で2ストライクを奪います。ファールを挟んで、4球目で空振り三振!2アウトを取ります。

 1部リーグ昇格まであとアウト1つとしますが、同点ランナーは依然、3塁に。応援席からは悲鳴のような藤嶋コールが挙がります。次のバッターへは1球目でストライクを奪い、2球目はボール。そして3球目を打ったボールはショートへ転がり、ショート・松田からファースト・沢へ送球し、ゲームセット!

 ブレイブベアリーズは貴重な1点のリードを守り切り、1-0で勝利。悲願の1部リーグ昇格を決めました。

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嬉しさで号泣する選手たち。
一転、表彰式は晴れやかな笑顔に。

 ウイニングボールを捕球した、ファースト・沢。沢はグローブでしっかりとボールを持ち、両手を突き上げ駆け出します。大ピンチを気迫のピッチングで乗り切ったピッチャー・藤嶋は、キャッチャー・鬼澤の元へ。鬼澤も藤嶋に駆け寄ろうとしますが、グラウンドに泣き崩れます。その鬼澤の背中を優しく叩くのは、前日の試合、この日午前の試合それぞれに先発登板したピッチャーの濱地沙歩、山田蓮。全員で勝ち取った1部リーグへの切符。目を真っ赤にして号泣する選手たちは、藤嶋、そして立ち上がった鬼澤を囲み、歓喜の輪ができました。

 そしてグラウンドでは、2部リーグ優勝・準優勝の表彰式が始まりました。昨年は、準優勝のメダルを掛けられながらも涙が止まらなかった選手たち。今年はみんな晴れやかな笑顔でメダルを掛けています。その笑顔は、胸元で金色に輝くメダルよりも、もっとキラキラと輝いていました。

 来シーズン、ブレイブベアリーズは1部リーグの舞台での戦いに挑みます。

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<試合後インタビュー>

遠藤麻美監督

「藤嶋がよく投げてくれました。最終回はランナーを3塁まで進められましたが、藤嶋は『絶対に抑えてやる』という顔をしていました。来シーズンは1部リーグで戦いますが、2年前の1部リーグでは1勝しかできず2部リーグに降格し、悔しい思いをしています。ですがこの悔しさは経験として活かされます。来年は1部リーグに残留できるよう、どうすれば勝つことができるのか、今からが勝負です。しっかりと準備をして来シーズンを迎えます。今シーズンも、たくさんの方が応援してくれました。私たちがソフトボールをやれるのは、会社のみなさん、ファンのみなさんのおかげです。この感謝を忘れずに、1部リーグへ向かいます」

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キャプテン・中村白選手

「以前のインタビューで『今は苦しんで、最後に笑いたい』と言っていたのですが、本当に苦しくもがいてきました。そして今日、みんながそれぞれの色で輝けて、最高の試合ができたと思います。今シーズンからキャプテンになり、『私はキャプテンに向いていない』と思っていたのですが、でも、頼りないキャプテンをみんなが支えてくれました。最高の仲間たちです」

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副キャプテン・松田愛実選手

「1部リーグ昇格を決めることができて、ほっとしています。いつも、絶対にチームを助けるという気持ちで守備についているのですが、最終回のピンチの場面でも『絶対に止めてやる』という気持ちで不安はありませんでした。しっかり勝てて良かったです。今日、1部リーグ昇格が決まりましたが、1部リーグでは、もっと厳しい戦いが始まります。1部リーグに勝ち残ることができるようにがんばります」

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先発完封勝利を上げた藤嶋涼菜投手

「この日のためにがんばってきたので、この舞台で戦えて、最後にみんなの笑顔で終わることができて本当に良かったです。最終回、ランナーが3塁まで行ったときは『ヤバい』と思ったのですが、1アウトを取って『これはいけるな』と切り替わりました。2アウト目は内野ゴロにできればと思ったのですが、三振を取ることができてほっとしました。今は、みんなありがとうという気持ちだけです。今シーズンも、開幕から遠方の会場までたくさんの方が足を運んでくださって、ありがとうございました。そして今日、結果で恩返しすることができました。これから厳しい戦いになりますが、頑張りますので応援よろしくお願いします」

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決勝点につながるツーベースヒットを打った鬼澤麻純選手

「今シーズン、現役復帰してブレイブベアリーズに移籍したのですが、苦しいことの方が多かったです。今日の試合で勝つためだけにずっとやってきたのが報われました。4回表のツーベースヒットの打席は、自分がやるしかないとすごく気合いが入っていました。それが形になったと思います。最終回のノーアウト3塁にされた場面では、1点を守りにいくと苦しくなってしまうので、攻めていきました。1部リーグ昇格が決まりましたが、これはゴールではなくスタートラインです。1部リーグに残留できるよう、そのための勝ち数を挙げられるよう、がんばります」

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今シーズンは選手専任として試合に臨んだ野木あや選手

「一年間、この日のためにやってきたので、今日はみんなを信じてすべてを出し切りました。最高の日でした。昨年に、今日と同じ最終決戦で負けたときから、順位決定節で2勝するための練習に取り組んできました。その一つは全員総力であること。そしてもう一つは色々な勝ち方を身に着けることです。攻撃で力を出せないときは守備で勝つ、またその逆といった、勝つためのパターンを増やす練習をしてきたのですが、今日は練習通りにやれて、報われた思いです。来年は厳しい試合になってくると思いますが、そういった厳しい中に身を置かないとさらなる成長はありません。厳しい試合での経験が、選手・チームの成長に繋がります。苦しくなると思いますが、自分たちの良いところは残して、1部リーグを戦っていきます」

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